2005年の第一弾は、僕の「ホームズ住宅探偵事務所」に寄せられる相談事のなかでも、ここ最近増えてきた「風水」について、専門家に伺ってきたことを2回に分けてレポートいたします。
取材を引き受けていただいたのは、中村稔典さん(プロフィールは以下で紹介)です。中村さんは「知らないと、一生後悔する 家づくりに活かす、使える風水12の知恵」という本もお書きになっている住宅作りのプロフェッショナルで、風水の専門家として講演活動も行っていらっしゃいます。
本日は中村さんを、ご自身の経営する建設会社のモデルハウスにお訪ねしました。 |
| ホームズ |
「中村さん、はじめましてホームズです。よろしくお願いいたします」。 |
| 中村さん |
「いらっしゃい、ホームズ君。こちらこそ、どうぞよろしくお願いします」。 |
| ホームズ |
「いきなりの質問ですが、『風水』と『家相』の違いがよくわからないのですが?・・・僕のように全然知らない人間にもわかりやすく教えていただけますか」。 |
| 中村さん |
「はい。まず、もともとの『風水』の発祥はインドと言われているんですよ。それがシルクロードを通って中国の文化と融合して進化して、現在の『風水』になったと言われています」。 |
| ホームズ |
「へえ〜もともとはインドなんですね」。 |
| 中村さん |
「そうです。そしてそれを中国では、当時の王様や権力者たちが、城づくりや都市計画の学問として利用していたんです」。 |
| ホームズ |
「ふう〜ん。『家相』より少しスケールが大きい感じがしますね」。 |
| 中村さん |
「日本には、まず空海(弘法大師)などのお坊さんたちが『風水』を伝えました。さらに江戸時代には、天海僧正という密教のお坊さんが、徳川家康のブレーンになって、『風水』で江戸の都市計画をしたり、家康亡き後は日光東照宮を建築したりすることで、江戸城を守って天下泰平を成すために『風水』を用いたんです」。 |
| ホームズ |
「へぇ〜」。 |
| 中村さん |
「このように当時の『風水』は大変に貴重な最新の学問で、ごく一部の権力者だけに伝授され、利用されていたんです。そして、その一部が少しずつ伝わっていったものが、現在の『家相学』の基礎になったと言われているんです。だから『風水』に比べると『家相』は幾分、民間信仰的な要素が(世間に広まる過程で)加わって、それが画一的に(決まり事のように)伝わってきたものと言えますね」。 |
| ホームズ |
「???・・・、と言いますと・・・」。 |
| 中村さん |
「そうですね〜ひとつ例を挙げると・・・。まず玄関ですが、『家相』では基本的に“巽の角(南東)が最適”、と“とにかく画一的”に考えがちですが、本当に大切なのは、その土地の道路付けやその場所の状況など、まわりの環境を優先して玄関の配置を選ぶことなんです。確かに、“巽の角の玄関は吉相”なのですが、もしそこに「近すぎるお隣さんの塀」や「ごみステーション」があったりしたらどうします?」 |
| ホームズ |
「そ、それはちょっと・・・困りますよね・・・」。 |
| 中村さん |
「ですからそうした場合は、“玄関の場所は何がなんでも巽の角”ではなくて、フレキシブルに別の場所に移動させていいんです。だって外出時や帰宅時に『圧迫感のあるもの』や『汚いもの』を毎日のように見るなんて嫌でしょう?」。 |
| ホームズ |
「ええ」。 |
| 中村さん |
「心理学的に言っても、人間の思考は『視覚(=見た物)』『嗅覚(=臭い)』『感覚=(圧迫感など)』といった外界からの刺激に大きく影響されますから、それも毎日のこととなれば擦り込み現象が発生して、どうしても嫌なイメージ・印象が潜在意識として残ってしまうのです。人は誰でも居心地の悪い場所や気分の悪い場所には近寄りたくないというのが自然な反応ですから」。 |
| ホームズ |
「う〜ん。なるほど・・・」。 |
| 中村さん |
「『家相』で言う鬼門(北東)も『風水』ではもともと“氣が来る門”という考え方だった、という説もあるんですが、ただ長安(中国)のような場所では冬になるとシベリア方面から冷たい北東の風が吹き込んで来るので、当然北東(鬼門)の戸口(玄関)は良くないわけです(まあこれは長安に限ったことではなく北半球のかなり広い範囲にあてはまるのですが)。また裏鬼門と呼ばれる南西にしても、ゴビ砂漠からの乾いた砂まじりの風が入ってきますからこれも良くない。おまけに強い日差しも入って食べ物が傷みやすくなりますからそこに台所をつくるのはもってのほか、となるわけです」。 |
| ホームズ |
「意外に科学的なんですね」。 |
| 中村さん |
「そうですよ。住環境を科学的に検証して活用するための学問なんですから」。 |
| ホームズ |
「なるほど。僕は『風水』と聞くとどうしても陰陽師・安倍清明のような少しオカルトがかった世界を思い浮かべてしまうんですけど。それだけじゃないんだ。なんか『風水』って奥が深いんですね〜。僕、中村さんには聞きたいことが沢山あるんですけれど、全部伺うにはとても時間が足りないので今日はまずひとつ。眠りを大切にする僕(ホームズ)としましては、寝室に関するアドバイスをいただきたいのですが・・・」。 |
| 中村さん |
「それはいい質問ですね。ぐっすり安眠できて明日への活力を養うための寝室は、とても重要な場所なんですよ。安眠できないと徐々に疲労が蓄積して活力も低下し、終いには免疫力も低下してきますからね」。 |
| ホームズ |
「えっ、なんだか恐いですね〜」。 |
| 中村さん |
「そこで寝室の風水ポイント!、まずは“温度変化の少ない寝室”」。 |
| ホームズ |
「温度変化の少ない寝室!〜、・・・って?」 |
| 中村さん |
(突然に)「さて、ここで問題です。部屋の温度変化の“最大の要因”は何でしょうか?、ホームズ君〜どうですか?」 |
| ホームズ |
「なっ、なんでしょうねぇ・・・、あっ、もしかして・・・エアコンですか〜」。 |
| 中村さん |
「残念〜!。最大の要因は窓です。窓には壁のような断熱材が入っていないので、室内の暖気や冷気が窓からどんどん逃げていってしまいます。そこで寝室には必要以上に大きな窓は作らず断熱性能の高い窓を使うこと」。 |
| ホームズ |
「ハ〜イ!」。 |
| 中村さん |
「寝室は基本的には寝るための部屋なんですから、必要以上の採光はいりません。必要以上に光が入ると休日の朝など、ゆっくりと寝ていることができません。人は光を受けるとそれが脳の松果体に刺激として伝達されて、睡眠を促す「メラトニン」という物質の分泌が抑制されてしまいますから」。 |
| ホームズ |
「・・・うーん、ほんと科学的なんですね〜。あの、もしかして風水の本などで良く見る『若夫婦の寝室は東に、年配の方の寝室は西側に』などと言う間取りのアドバイスも、実は窓から入る光と関係があったりして・・・・・」。 |
| 中村さん |
「その通りです。光が人の生活リズムを作ってくれることとその部屋に住む人の年齢との関係ですね。ほかにも快適な睡眠のためには、□天井の高さは高くしすぎない。 □傾斜や張り出しのある天井は作らない。 □インテリアは同系色でまとめて落ち着きを持たせる、といった色の問題。 さらに、□光だけでなく遮音性も考えて窓を大きく取りすぎない。、といったポイントがあります。そしてそれは例えば、・・」。 |
| ホームズ |
「ちょ、ちょっと待って下さい。このインタビューの続きはきちんと整理して別の回に必ずお届けします。それから風水を住まいづくりに活かすポイントがわかりやすくまとめられた中村さんのご本(『知らないと、一生後悔する 家づくりに活かす 使える風水12の知恵』)を読者にプレゼントしたいのですが・・・」。 |
| 中村さん |
「どうぞ、喜んで。『風水』を皆さんの家づくりに役立てて、幸せになっていただきたいと・・・。ただし「氣」の流れや動きを変えるということは、今までの生活習慣の流れを変えることにつながりますから、蓄積していた負の副作用が噴出してくることも全くないとは言えませんので、そこは勉強していただいて慎重に行って下さい」。 |
| ホームズ |
「第1回目はこの辺りで、ありがとうございました。なんか1回目から予定時間を大幅にオーバーしちゃってごめんなさい」。 |
| 中村さん |
「いいえ。お疲れ様でした」。 |