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思春期と社会性の発達

桃井真里子のちょっとからくちTALK 脳科学のお話㈰ 思春期と社会性の発達  脳...

桃井真里子のちょっとからくちTALK
脳科学のお話㈰
思春期と社会性の発達

 脳科学の話です。社会性の発達は、人間が生きていくうえで不可欠です。友達とうまくやる能力、他人との衝突を避ける能力、などです。
 とびぬけた能力を持つ人以外は、自分を生かすも殺すも、この社会性の発達が鍵となります。社会性に関係する脳の部分は、幼児期に神経細胞やそれをつなぐ連結が急に増加して、それらは、思春期に急激に減少して成熟した大人の脳になるらしいのです。ですから、連結が増加している幼児期と学童期にたくさんの多様な人々と交わることは、社会性の発達にとても重要です。
 一方で、急激に減少する思春期は、適切な連結だけを残して成熟した脳に向かう時期なのですが、脳の変化がちょうどよい具合にいかずに、社会性に問題が生じやすい時期でもあります。

もし思春期で不登校になったとしても、親は慌てず騒がず…
 小中学校と何の問題もなくうまくいっていた素直なよい子が、高校入学と同時に急に不登校になったりするのは、この時期で、脳の中で見えない大きな変動が生じているためです。
 こういう場合、親は大慌てにあわてます。いったいどうしたの? 何が問題なの? なぜ、学校に行けないの? となってしまいます。問い詰められた子どもの方も、実は同じ質問が頭の中を渦巻いているのです。わからない、と答えると、わからないことは無いでしょ! と言われてしまうので、無言で部屋に引きこもる、という結果になります。

すべて、思春期の脳の中の変化の結果なので、本人にもこんなはずじゃないのに、という戸惑いがあります。そこに親の叱責や詰問があると、余計混乱し、仕方が無いから、壁をぶったたいて気を鎮める、ことになります。
実は前からその子にとっての社会性のあり方は、大多数の子どもたちとは違っていたのですが、それには気がつかれずに、脳が急激な変化を遂げる思春期になって見えてきたのです。
まずは、親が落ち着いて、ああ、思春期の脳の連結の急激な減少かあ、とつぶやき、小児神経や小児精神の専門医を相談受診してください。子どもは時間を経て、必ずその子なりのやり方で復活します。
親がすべきことは、大丈夫だよ、安心して時間をかけな、という言葉をかけてやることだけなのです。それが本心からでなくても、とても役立ちます。