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2010年04月 アーカイブ

2010年04月16日

思春期について

桃井真里子のちょっとからくちTALK
思春期について

 思春期の子育ての話です。思春期は、脳が激変する子どもにとっても親にとっても大事な時期です。
 親としては、思春期が親の力の発揮どころとして最後のチャンスなので、これぞ“わが子の将来の損得が決まる”と力が入りがちです。子どもが将来損をしないように、という価値観が目の前にちらついて、親も不安を一掃したくて、子どもを叱咤(しった)激励しがちです。“学校にいけない”“学校よりも別の時間を持ちたい”“学校だけはいやだ”という子どもを目の前にして、『せめて学校くらいは卒業していないと、将来どんな損をするか、この子はわかっていない。自分が今わからせなくては』と張りきりがちです。
 この親のがんばりで、子どもは一層困惑、混乱し、悩み、つらさ、を募らせます。親の期待にそえない自分がいやになります。同時に、そういう思いをさせる親が憎くなります。親の思いは十分に理解しつつも、自分のことを本当は分かっていない親が、自分を破壊させるようにも思えてきます。
 こういう自尊心の傷つきと、親への複雑な強烈な思いが交錯すると、内に向かえば閉じこもり、外に向かえば、物や人への暴力となって爆発します。爆発させないと自分が壊れるからです。こんなことが生じたら、ああ、自分が壊れるのを防御しているんだ、と思ってください。そして、適切な対応を考えることが大事です。

親から放すことも大切なこと
 ここで一層小言に励むと、何もかもが一層悪くなります。こういうときには、親から放して、専門医、あるいは、専門家に任せることがベストです。世間的に当たり前ではないコースを歩むことは、誰にも不安を呼び起こします。
 そういう人生を歩まなかった親にとっては、未知の世界なので、不安だらけです。でも、子どもを未知の世界に出してやることは親の務めでもあります。自分がよーく知っている世界に出すのは親にとって、一番安心で、容易なことなのです。未知の世界がいいと言ったのなら、その大変さをよーく話し合って、「頑張りな」「困ったらいつでも相談しな」と言うのが、親ができるベストのことだと思います。それで子どもは親の不安と辛抱を十分に理解して感謝してくれるでしょう。
 困難はどの道を選んでもつきものです。困難のない人生をあゆむばかりが幸福とはいえないところが、人生の一番よいところだと思います。

2010年04月23日

体と心の変化に戸惑う思春期

少女から大人へと変わる過程で通る心身の不調に対処するには?
体と心の変化に戸惑う思春期

 AKB48「桜の栞(しおり)」のビデオクリップにおける、多彩な袴に身を包んだ乙女たちと、懐かしさ溢れる旋律に接していると、瀧廉太郎「花」の時代に回帰していくようです。隅田川堤の桜を橋上から眺める明治時代の女学生の姿が、彼女たちに重なります。
 明治でも平成でも思春期の乙女は、親の絶対的な庇護(ひご)の中にいた、そして単純明快だった少女時代への惜別を悲しむのです。こうした変化への不安で心身に不調が起きた乙女を診療を通じて手助けすることは、婦人科医としての責務の一つです。

■婦人科医はあなたの味方

 変化の第1は月経の開始(=初経。12歳前後)です。初めての経験に誰しも戸惑うはずですが、少し慣れてくるうちに、2種類の悩みが生じることがあります。
(1)月経痛…初経のころから発生する場合、子宮頚管の硬さと細さに起因する例が大部分です。漢方薬の日常的服用と鎮痛剤の一時的な服用での対処が第1選択です。この方法が効かない場合、ピルの使用も浮上しますが、連続服用は1年半までと私は考えます
(2)バラバラな月経と不正出血…どちらも卵巣機能未成熟ゆえの排卵遅延が原因です。基礎体温を記録して、医師に相談してください
 第2の変化は心理面で起こります。衆人の中での自我意識が増大してゆくのですが、ほとんどは自己存在への否定的感情に満たされています。女性は特に体型についての感情に左右されやすく、やせた姿になることで自信をつけようと考え、ダイエットに向かいがちです。過剰な実践は摂食障害を生み出します。
 また、自信のなさから親や友達との人間関係で正しい自己主張ができない状態が続くと、摂食障害・社交不安障害・機能性胃腸障害といった神経症に陥ることもあります。
 女子中学生・高校生のみなさん。もし体や心に気になることがあったら、まずは婦人科を訪れてください。婦人科医はいつもあなたがたの味方なのです。

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