vol.10 “健康寿命を延ばそう”
vol.10
“健康寿命を延ばそう”
食生活を大切にするのは「寿命」を長くするためではなく、「健康寿命」を長くするためです。この「健康寿命」という言葉は、聞き慣れない言葉かもしれませんが、10年くらい前にWHO(国連の世界保健機関)が「健康で自立した生活を送ることが出来る年数」ということで提唱し始めた考え方です。
FAO方式で計算した2003年の健康寿命の数字を見ますと、当時の日本人の平均寿命は男性78.4歳、女性85.2歳に対し、健康寿命は男性72・3歳、女性77・7歳となっています。単に何歳まで生きるかという平均寿命と、この健康寿命の差は、男性6.1年、女性7・5年となります。すなわち、男性でいえば、平均の寿命は78.4歳でも、最後の6.1年は自立して生活を送ることができない年数ということになります。女性ではその年数は7・5年です。
外国ではこの2つの寿命の差は、健康寿命の長い国順に男女平均オーストラリア6.3年、フランス6.2年、スエーデン6.5年、スペイン5.9年で、日本よりやや短いようにも思えます。
“寿命長きをもって尊しとせず 健康寿命長きをもって尊しとす”
この健康寿命の概念は、日本ではまだ広く使用されるようにはなっていませんが、日本の男性の平均寿命が世界のトップクラスだといっても、最後の6.1年が自立した生活が送れない状態(場合によっては寝たきり)だというのでは悲しいではありませんか。
平均寿命を延ばすことも大切ですが、それとともに健康寿命を延ばし、両者の差を縮めたいものです。そのためにも今日からでも自分の食生活を大切にし、脳卒中や心臓病、がん等の生活習慣病にならないよう頑張りましょう。
話は変わりますが、毎日の食生活の中味のほかに最近心配なことがもう一つあります。朝食を食べない人の増加、特に朝食抜きのお子さんの増加です。朝ご飯を食べた学童と朝食抜きの学童では、午前中のテストで差がつく、朝食を摂った学童の方が成績がよいという結果も報告されています。
その訳は、人間の脳の栄養になるのはブドウ糖だけで、それは食事で補給されますが、昼間の食事で補給されたブドウ糖は夜のうちに消費されてしまい、朝食を摂ることで新たに脳に補給されるのだそうです。従って朝食を抜くと脳の中は栄養不足で脳が十分働かない。そのため午前中のテストでは、朝食を食べたか否かで差がついてしまうのだそうです。サラリーマンでも同様でしょう。
大人の朝食抜きは2〜3割ですが、学童でも1割前後あるそうです。お母さんが多忙の故だと思いますが、何とか工夫してお子さんのために頑張って朝の欠食を無くしたいものです。