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2009年09月 アーカイブ

2009年09月04日

vol.6 日本型食生活の良さが、崩れ出した

vol.6
日本型食生活の良さが、崩れ出した

 私の子どものころ、あるいはそれよりずっと以前から、日本の食生活はほかの先進国に比べてかなり貧しかったようです。当時はお米でカロリーの大部分を摂り、脂肪は非常に少なく、P(たんぱく質)・F(脂肪)・C(澱粉)バランスは澱粉に大きく偏っていました。摂取しているたんぱく質も、当時は大豆とかお米から摂る植物性たんぱく質ばかりで、動物性たんぱく質は極めて少なかった。
 このような食事のために、今から約100年前は、世界の先進各国の平均寿命が軒並み50歳を超え、60歳に近かったのに、日本は40歳に満たなかった。日本人の平均寿命が男女共に50歳を超えたのは、なんと終戦後の昭和22年ころでした。ですから日本は平均寿命では約半世紀以上欧米に遅れていたことになります。
 しかし、その後の30年の間に日本人の食生活は非常に良くなり、昭和52年には日本は世界一の長寿国となりました。この30年の間に日本人の食生活は大きく変わったのです。澱粉の摂取量が程良く減り、一方脂肪の摂取量は程良く増え、その結果P・F・Cバランスは理想的になりました。摂取するたんぱく質の中身も、動物性たんぱく質が増え、植物性たんぱく質との割合が改善されました。このような食生活改善の結果、日本は世界一の長寿国になったのです。

日本人の食生活が危ない
 と、ここまでは良かったのですが、その次の30年の間に日本の食生活は悪い方へ急速に傾斜し始めました。今でも日本人の平均寿命は、女性は86歳を超え世界一です。男性も79歳を超えアイスランドに次ぎ世界第二位を誇っていますが、このまま日本の食生活の乱れが進むと、日本の長寿世界一の座はほかに譲らざるを得なくなりそうです。
 何がどう悪くなったのか。まずその一つは、P・F・Cバランスでいえば、澱粉の摂取量が減り過ぎ(Cの数値は63%が適当だったのが57%くらいにまで減少)、反面脂肪の摂取量が増加したのは良かったのですが、それが増え過ぎ(Fは25%くらいが適当だったのが30%を超える程に増加)、一方たんぱく質の中身も動物性たんぱく質の摂取が進み過ぎ、大豆など植物性たんぱく質の摂取が減り過ぎて、両者の割合は半々が良かったのが、動物性たんぱく質の方が多くなってしまいました。
 この傾向がこのまま進みますと心配だというので、政府は数年前から食育活動を始めました。食生活指針を作ったり、食育基本法も作り、さらに食事バランスガイドを作り、具体的に日本人の食生活を改善するための施策を次々に打ち出しました。最近では、子どもまで「メタボ、メタボ」と口にするようになりました。次からメタボ対策や食事バランスガイドの話をしたいと思います。

2009年09月11日

vol.7 “メタボリックシンドローム”の登場

vol.7
“メタボリックシンドローム”の登場

 日本が世界一の長寿国(昭和52年)となってから、30年の間に次第に日本人の食生活の良さが崩れ出しました。P・F・Cのバランスの良さが、F(脂肪)の増え過ぎと、C(澱粉)の減り過ぎで崩れ、植物性たんぱく質と動物性たんぱく質の摂取比率も次第に動物性にかたより過ぎ、野菜の消費も減少し、いろいろと健康上の問題が指摘されるようになりました。
 その一つが太り過ぎとそれに伴う病気の増加です。アメリカが1980年に食育を始めた時の状況に日本も似てきました。
 「メタボリックシンドローム」というそれまでは聞いたこともない言葉が新聞にも載るようになりました。内臓脂肪型症候群とでもいうのでしょうか。内臓に脂肪がつく肥満に基づくいろいろな病気のことをいうようです。内臓脂肪型肥満になると高血圧、高血糖、脂質異常を引き起こし、これを放置し続けると、脳卒中、心疾患(狭心症や心筋梗塞等)、糖尿病合併症(人口透析・失明)等へと進展するそうです。そうなっては大変です。
 私がこのメタボリックシンドロームの話を厚生労働省の関係者から初めて説明されたのは、平成17年当初、当時同省と農林水産省が共同で作成した食事バランスガイド”が発表される前後でした。今でこそ子どもまでメタボ、メタボと口にしますが、当時は一体何のことかと思ったものです。
 それでは日本人におけるメタボリックシンドロームの診断基準はどうなっているのでしょうか。言いかえれば日本人のメタボ該当者とは、㈰腹部肥満度 ウエスト周囲径が男性85cm、女性90cm以上㈪中性脂肪 150mg以上かつ/またはHDLコレステロール40mg未満㈫血圧 上が130以上かつ/または下が85以上㈬空腹時血糖値 110mg以上の四つの条件のうち㈰に該当する人で、さらに㈪〜㈬のうちの2項目以上に該当する人とされています。

私の経験ばなし
 私は平成18年3月に狭心症のため、心臓のバイパス手術(心臓に栄養を送る血管がつまったため、そのバイパスを作る手術)をしました。ある病院の  人間ドックで血糖値が高いから精密検査を受けるよう言われ、病院に行き精密検査の結果、典型的な狭心症で、即手術の要ありとそのまま入院、足から血管を3本とり、つまった心臓の血管のバイパスを作る手術をしました。お陰で手術は成功、今は健康体で、正に九死に一生を得ました。
 その時の人間ドックのデータは、腹囲98cm、血圧72〜134、血糖値147、HDL51、中性脂肪172で今にして思えば典型的なメタボでした。
 皆さまもご自分の健康のためです。人間ドックや健康診断を受けた時の結果表を良く見て、自分がメタボか否かを判断したらいかがでしょうか。 

2009年09月18日

vol.8 “食事バランスガイドを勉強しよう”

vol.8
“食事バランスガイドを勉強しよう”

 今、厚生労働省と農林水産省が「食事バランスガイド」のPRに大変力を入れています。私の経験からしても、この「食事バランスガイド」ほどお役所が根気良くPRに努めているものは無かったと思います。前回9月12日号リビングマロニエ本紙にも「食事バランスガイド」の記事が載っていましたが、ご覧になりましたか。今号6面にも載っていますね。
 日本が食育を始めたころ、政府は「食生活指針」としてこれからの望ましい食生活のあり方を10項目定めました。この指針には良いことが書いてあるのですが、具体的に何をどうしたらよいのかわからないという苦情が多く寄せられました。そこで、望ましい食生活として、「何を」「どれだけ」食べたら良いのかが一目で判るように、食事の目安を料理や食品のイラストなどで示す「ガイド」を作ったわけです。難しい作業だったようです。
 アメリカでも同じように食生活指針を作成してからしばらくして、たしか2000年の食生活指針(アメリカは、指針を5年ごとに改訂しています)を作成したときに「フードガイドピラミッド」を作成して、これによって具体的に食生活改善の指導を行うようになりました。日本も似たような経過をたどったわけです。ただ、日米で大きく違っているのは、アメリカはピラミッド型(正三角形型)であるのに対し、日本は独楽(コマ)型(逆三角形型)で、いずれもそれぞれよく考えて作られていると思います。

“食事バランスガイド”とは
 日本のはコマ型ですが、コマが安定して回転するためには、ごはん等の「主食」と、野菜等の「副菜」や、肉魚等の「主菜」、そして「牛乳・乳製品」や「果物」等を、毎日バランス良く食べる必要があるということで、イラストなどで、量も4つとか5つとか、また1つとはそれぞれどのくらいかを、分かり易く絵で示してあります。そして前提としてこのガイドは、1日2200キロカロリー±200キロカロリーくらいを必要とする普通の大人のためのものとして作られています。
 しかし皆さんは、このコマの「ガイド」を見てすぐ頭に入ったでしょうか。多少慣れている私でも理解するのに時間がかかりました。根気よく勉強する必要がありそうです。この「ガイド」を見ながら、自分はどのような食生活を送るべきかを考えるとき、皆さんすぐお気付きのように、最初に自分は1日にどれだけカロリーを消費しているのだろうか、2番目には、どういう運動をしたら何カロリー消費するのだろうか、3番目には、これを食べたら何カロリー入るのだろうかという食材ごとのカロリー等が知りたいと思うでしょう。次回は私がある必要に迫られて、その勉強をした経験をお話しましょう。

2009年09月25日

vol.9 “ウエートコントロールのコツ、出ずるを計って、入るを制す”

vol.9
“ウエートコントロールのコツ、出ずるを計って、入るを制す”

 健康のためには、「何を」「どれくらい」食べたらよいのかということを、私が勉強したキッカケは、48歳の時に経験したギックリ腰でした。整形外科で診てもらいました。医者が言ったのは「ギックリ腰は老化現象だからなるのは仕方がない。でも再発は防げる。そのためには体重を減らしなさい。しかし、減らすために“運動しろ、酒を止めろ、油ものは減らせ”といっても仕事の関係で無理だろう。従って“運動しなくてもよい、酒を飲んでもよい、何を食べてもよ
い”、それで体重を減らす方法を教えよう。それは、食べるものを全部半分に減らすことだ」ということでした。そのころの私は、身長165cm、体重77kg(中太り)でしたが、その日の夜の会食から食事は全部半分残すようにしました。家でも全部半分に減らしました。
 2週間後には、1kg減、更にひと月に2kgずつ着実に減り出し、約5カ月で8kg以上の減量に成功しました。結局医者の教えは、『自分の毎日の行動にともなう消費カロリー以上のものを摂っては駄目、自分の1日の消費カロリーに見合う分だけ食べろ』ということだったのです。当たり前といえば当たり前ですが、私たちは自分が1日にどのくらいカロリーを消費するかなどということは判らないのが普通です。しかしそれを勉強し、それに見合った食事量にしなければならないことの大切さを改めて認識させられました。そこでやさしい栄養の本を買い、勉強し自分の1日の基礎代謝は約1200キロカロリーくらいで、これにゴルフなどの運動や生活行動の強弱に応じて消費カロリーが上乗せされる。一般的には男性の青壮年なら1日2400キロカロリー、70歳以上は1800キロカロリーくらいが消費されるそうです。
 一方食べる方は、トースト1枚120キロカロリー、ご飯中盛200キロカロリー等々いろいろ勉強しました。

“出ずるを計って、入るを制す”
 ウエートコントロールは“入るを計って(収入を考えて)、出ずる(支出)を制す”という家計の在り方とは逆です。例えば1日ゴルフをすると基礎代謝のほかに約400キロカロリーくらい消費するそうです。一方ビールは1本約200キロカロリー、今日はゴルフをしたからといってゴルフの後にビールを2本飲んだらパーです。3本飲めばかえって太るということになります。消費カロリーを考えて食事を制することが大切です。しかし、食事には楽しみも必要。そのオーバー分は、次の日の食事をちょっと減らせば良いでしょう。
 この年齢毎のおおよその消費カロリーやそれに見合った食べ物の量も「食事バランスガイド」に書いてあります。ぜひ勉強しましょう。自分の健康のためです。そして元気で長生きして、おいしいものをいつまでも食べられるようにしましょう。

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