vol.6 日本型食生活の良さが、崩れ出した
vol.6
日本型食生活の良さが、崩れ出した
私の子どものころ、あるいはそれよりずっと以前から、日本の食生活はほかの先進国に比べてかなり貧しかったようです。当時はお米でカロリーの大部分を摂り、脂肪は非常に少なく、P(たんぱく質)・F(脂肪)・C(澱粉)バランスは澱粉に大きく偏っていました。摂取しているたんぱく質も、当時は大豆とかお米から摂る植物性たんぱく質ばかりで、動物性たんぱく質は極めて少なかった。
このような食事のために、今から約100年前は、世界の先進各国の平均寿命が軒並み50歳を超え、60歳に近かったのに、日本は40歳に満たなかった。日本人の平均寿命が男女共に50歳を超えたのは、なんと終戦後の昭和22年ころでした。ですから日本は平均寿命では約半世紀以上欧米に遅れていたことになります。
しかし、その後の30年の間に日本人の食生活は非常に良くなり、昭和52年には日本は世界一の長寿国となりました。この30年の間に日本人の食生活は大きく変わったのです。澱粉の摂取量が程良く減り、一方脂肪の摂取量は程良く増え、その結果P・F・Cバランスは理想的になりました。摂取するたんぱく質の中身も、動物性たんぱく質が増え、植物性たんぱく質との割合が改善されました。このような食生活改善の結果、日本は世界一の長寿国になったのです。
日本人の食生活が危ない
と、ここまでは良かったのですが、その次の30年の間に日本の食生活は悪い方へ急速に傾斜し始めました。今でも日本人の平均寿命は、女性は86歳を超え世界一です。男性も79歳を超えアイスランドに次ぎ世界第二位を誇っていますが、このまま日本の食生活の乱れが進むと、日本の長寿世界一の座はほかに譲らざるを得なくなりそうです。
何がどう悪くなったのか。まずその一つは、P・F・Cバランスでいえば、澱粉の摂取量が減り過ぎ(Cの数値は63%が適当だったのが57%くらいにまで減少)、反面脂肪の摂取量が増加したのは良かったのですが、それが増え過ぎ(Fは25%くらいが適当だったのが30%を超える程に増加)、一方たんぱく質の中身も動物性たんぱく質の摂取が進み過ぎ、大豆など植物性たんぱく質の摂取が減り過ぎて、両者の割合は半々が良かったのが、動物性たんぱく質の方が多くなってしまいました。
この傾向がこのまま進みますと心配だというので、政府は数年前から食育活動を始めました。食生活指針を作ったり、食育基本法も作り、さらに食事バランスガイドを作り、具体的に日本人の食生活を改善するための施策を次々に打ち出しました。最近では、子どもまで「メタボ、メタボ」と口にするようになりました。次からメタボ対策や食事バランスガイドの話をしたいと思います。