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子育ての終わりと更年期が重なる心の変調

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〈Vol. 23〉 ホルモン療法と漢方薬で症状が改善
子育ての終わりと更年期が重なる心の変調

 男性が定年退職で「燃え尽き症候群」になるように、子どもを持つお母さんにとって“子育てを終えること”は大きな変化。この春、巣立つ子どもを見送ったお母さん、心や体に不調はありませんか? 宇都宮市大寛町のうえの医院院長・上野裕さんに、その対処法を伺いました。

大切に育ててきた子どもたちが進学・就職などで家を離れ、心に空洞を抱えて過ごしている人(特に女性)が少なくないと思います。こうした年代は、いわゆる更年期と重なってしまう場合が多々あります。家庭生活の変化が原因の心の変調…憂うつ感、イライラ、気力の低下、不安感などに、更年期の不快症状である肩こり、腰痛、頭痛、不眠、のぼせ、自汗などが加わると日常生活に大きな支障をきたします。

 48歳から52歳の間に閉経(排卵の停止)をむかえる女性が9割で、閉経の前後1年間くらいを更年期と考えます。この期間に前述した不快症状が現れる場合を、更年期障害と呼びます。第一の原因は卵胞ホルモンの欠乏にあり、ホルモンを補充することで症状の緩和が期待できます。また、ホルモン療法には骨粗しょう症の予防・治療効果もあります。ただし、乳がん・子宮体がんに対するチェックが必要です。

■ 芸術や文化を楽しむ余裕を持つ
 ホルモン療法でも軽快しない更年期症状には、漢方薬を使います。冷え性傾向の人には、五積散(ごしゃくさん)・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)・温経湯(うんけいとう)などから選択。ほてるタイプの人には桃核承気湯(とうかくじょうきとう)・加味逍遥散(かみしょうようさん)などを選びます。
 閉経したことや生活変化への適応不全が主因となる精神心理症状については、対処する基本は身体的・社会的変化を受け入れ、その変化を前進的にとらえること。子育てのエネルギーを自らの世界を広めることに費やしたり、毎月の月経にまつわるうっとうしさから開放されたと感じることが大切です。
 人類の歴史が生んだ芸術や文化。“それらを味わい、楽しむ余裕ができた時期”と、更年期と巣立ちをとらえてみてはいかがでしょうか。具体的な行動として、江戸や明治の歴史を念頭に都内を歩く、欧米の一流楽団でブラームスを聞くなどをお勧めします。症状が長引くときは、婦人科や心療内科医に相談してください。